音大生への就職アドバイス【9】努力は夢中に勝てないんです

2016年7月17日

陸上競技の為末大選手が、こんなツイートをしています。

子供が駅の名前全部覚えちゃったりするでしょう。あれを大人がやると十何倍労力と時間がかかる。努力は夢中に勝てないんです。

そう、「夢中」は長続きする。「努力」は長続きしないのです。

ちょっと前に、門下のある音大生の就職相談に乗ったとき、こんな話をしました。

音大生 「私、仕事は生活のためと割り切って、ずっとピアノを続けていきたいんです」

うさぎ 「でもね、一日のほとんどの時間を仕事をしてすごすわけ。8時間にしろ、努力して働くのって結構しんどいよ。朝、出社しても、なかなか就業時間が終わらないよ。それよか、自分が夢中になれること、仕事にした方がいいって。夢中になれることだったら、時間はあっという間に過ぎるから」

どうも、私は趣味のピアノと本業の仕事を、バランスよくこなしているように見えるみたい。これ、大いなる誤解。私は、本業の仕事に夢中で、一日があっという間に終わってしまいます。特に頑張っているという意識はなく、こんなのできないかな? こうやればもっといいんじゃないの? とか夢中に考えていると、恐るべき速さで仕事をしている時間が過ぎ去る感じ。

ビジネス書の名著『ビジョナリー・カンパニー2 – 飛躍の法則』より、とってもいい一文があります。

ほんとうに問題なのは、「なぜ偉大さを追及するのか」ではない。「どの仕事なら、偉大さを追求せずにはいられなくなるのか」だ。「なぜ偉大さを追及しなければならないのか、そこそこの成功で十分ではないのか」を問わなければならないのであれば、おそらく、仕事の選択を間違えている。

仕事は、会社の知名度、規模や業績で選ぶのではなく、自分が夢中になれるかどうかで判断するべき。もちろん、夢中になれるかどうかは、働いてみないと実感がわかないものではあるのだけれど。

音大生への就職アドバイス(全10回)

【1】言葉で表現すること
【2】ピアノ専攻は体育会系である
【3】会社をアナリーゼしよう
【4】経営者視点で見たピアニストと指導者の違いとは
【5】ウサギの視線、カメの視線
【6】「苦手」は克服しなくてもよい
【7】ハングリーで、おバカでいよう
【8】プロとアマチュアに境界線はない?
【9】努力は夢中に勝てないんです
【10】No.1になりポジションを可視化する


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