音大・美大の高額授業料を、親自身が納得して納める思考法(その4)

※このシリーズ、その1その2その3をお読みください。

子どもの美大の授業料、コストパフォーマンスが測れないとしても、4年間に支払う授業料の総額は、一介のサラリーマンには大した金額です。東京五美大で670万円〜700万円。

ここには作品制作のための材料費、通学の交通費等は含まれていないので、実際にはプラス100万円くらいのイメージを持っています。音大は美大よりも、4年間の授業料がさらに100万円ほどかかります。

なぜ、そんなに授業料が高いの?と素朴な疑問を持っていましたが、美大のオープンキャンパスにいくつか出かけてみて、納得しました。

まず、施設の維持費用。

彫刻専攻の実習室は、2階まで吹き抜けの広大なスペースにフォークリフトが鎮座し、教室というより工場の趣。デザイン専攻の教室にはハイスペックのiMacが並び、大手の制作会社もうらやむような空間。大学併設のミュージアムやギャラリーもこだわりを感じました。

音大の場合、数十の練習用防音スタジオを完備した棟や、音楽専用ホールなども。とにかく、上の息子が通う一般大学の文系の学部に比べて、施設の中身がまったく違っていました。

美大のパソコンにしろ、音大のピアノにしろ、毎日学生が使用する消耗品なので、3年〜5年程度での償却を考えると、メンテナンス費用も大変な金額になりそう。

武蔵野美術大学オープンキャンパス
武蔵野美術大学のオープンキャンパスにて

次に、人件費。

大学の財務諸表を調べると、費用の多くは人件費です。例えば、武蔵野美大の2020年度の予算(公式サイト 財務状況)を見ると、支出予算は年間164億円。うち55億円が翌年度繰越支払資金なので、110億円ほどが実質の支出でしょうか。110億円のうち、人件費が46億円、教育研究費が27億円、施設関連が20億円となっています。

人件費46億円のうち、教員が36億円、職員が14億円、役員報酬が5億円、退職金が21億。950人(非常勤含む)いる教員に比べると、役員報酬や退職金が少々高いのでは?と思いますが、理事も退職者も多くがアーティストです。

私が納める授業料が、芸術やクリエイティブ産業を下支えしているとも考えられます。なので、教育研究費も含めて「美大の授業料は、日本の芸術文化に対する寄付・支援だ」と考えることにしました。

あとは、入学後(合格すればですが)、積極的に学校の関連展覧会、イベントに出かけて、アートを楽しもうと思っています。

以上が、音大・美大の高額授業料を、私自身が納得して納める思考法です。


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