ゴンサロ・ルバルカバの「枯葉」

2014年5月26日

 
「枯葉」を聴きたくて、YouTubeを検索したら、ゴンサロ・ルバルカバの演奏を発見。

私が、ナマで聴いたピアニストの中で、頭が真っ白になるほど衝撃を受けた二人のピアニストのうちの一人だ(もう一人は、クリスティアン・ツィマーマン)。

「リストが、ショパンの『革命のエチュード』の左手をオクターブで弾いた」なんてエピソードを初めて聴いたとき、絶対に誇張だと思っていた。

ゴンサロ・ルバルカバの演奏に出合うまでは。

キューバのジャズピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバ。彼の演奏を初めて聴いたのは、1993年くらいだったっけ。場所は、大阪のブルーノート。彼のピアノは、これまで聴いたどのピアニストの音とも違っていた。まず、音が重い。低音がお腹にドスンドスンと響いて、ジャブを打たれているような感じ。また、時折、左手がオクターブで「ダダダダっ!」と駆け上がっていくと、自分の心拍数も同時に上がり、体がかっと熱くなりそうだった。

とにかく、音が球になって、聴いている側の全身にドスドスと当たってくるのだ。というと、マッコイ・タイナーのピアノと同類に思えるが、パーカッシブでありながら、リリカルなメロディーも絶妙に聴こえてきて、音が変幻自在。

リストのリサイタルって、たぶんこんな感じだったのだろう。超絶技巧練習曲なんて、ピアノによる格闘技のようなものだし。

動画は、1991年のマウントフジジャズフェスティバルでの演奏。チック・コリアと奥さんのフローラさんが、唖然として見つめている姿が微笑ましい。

ドラムは、ジャック・ディジョネット。そういや、この頃は、キース・ジャレットのスタンダーズが人気だったけど、スタンダーズでの演奏とまったくトーンとカラーが違っているのが興味深い。


【お願い】ブログランキングに参加しています。読んだらこちら(にほんブログ村へ)をクリックいただけないでしょうか。励みになります。