国際アマチュアピアノコンクール2015 受賞者演奏会を聴く

2016年7月28日

国際アマチュアピアノコンクール2015 受賞者演奏会チラシ今日は昨年夏に行われた「国際アマチュアピアノコンクール2015 受賞者演奏会」を聴きに、杉並公会堂へ出かけました。

昨年の国際アマコン、私自身はA部門に参加して2次予選止まりでした。紀尾井ホールでの本選は、町の盆踊り大会とバッティング。自治会の班長なので終日準備や片付けをしなければならず、行けずじまいでした。

2015年夏のコンクール結果を振り返る(2015/8/10)

本選を聴けず、何やら消化不良だった昨シーズンのアマコンでしたが、今日、受賞者演奏会を聴いて、ようやく終わった感じ。やはり朝練に始まり、予選・本選、受賞者演奏会まで、一年を通して参加してこそ十二分に楽しめるのかも。

さて、前日(!)に自宅に郵送されてきたチラシを見ると、プログラムは「フォーレ/即興曲 第3番 Op.34他」「スクリャービン/前奏曲 Op.11-7他」と、いずれも「他」ばかり。

どういう楽曲が演奏されたのか参考になると思いますので、以下、記しておきます。

プログラム全曲を紹介

岡崎有香(B部門 入選)
リスト/ハンガリー狂詩曲 第12番

浅野千晶(B部門 入選)
フォーレ/即興曲 第3番 Op.34
リャードフ/前奏曲 Op.57-1

河本咲子(B部門 第3位)
スクリャービン/前奏曲 Op.11-7
ショパン/エチュード Op.25-12
ショパン/ピアノソナタ 第3番 Op.58 第4楽章

岩本宏樹(B部門 第2位)
ショパン/マズルカ 第31番 Op.50-2
ショパン/マズルカ 第41番 Op.63-3
ショパン/即興曲 第2番 Op.36

西村英士(B部門 第1位)
ゴドフスキー/トリアコンタメロン(30日物語-3拍子による30の印象と光景) 第11曲「古きウィーン」
ゴドフスキー/ヨハン・シュトラウスの主題による交響的変容 第1曲「芸術家の生涯」

(休憩)

中村香織(A部門 入選)
ショパン/エチュード Op.25-1「エオリアンハープ」
ショパン/エチュード Op.10-11
ラフマニノフ/エチュード「音の絵」 Op.33-3

堀田晶子(A部門 3位)
ドビュッシー/映像 第2集より「葉ずえを渡る鐘の音」「そして月は廃寺に落ちる」「金色の魚」

下村泰斗(A部門 2位)
ブラームス=ジンガー/交響曲 第1番 Op.68 第4楽章

大渕良弘(A部門 1位)
リスト/「ドン・ジョヴァンニ」の回想
ニャターリ/ネガセアンド・ショーロ
ゴドフスキー/ショパンのエチュードによる53の練習曲より第9番「タランテラ」、第47番「冗談」

ユニークな演奏曲がアマコンらしさ

国際アマチュアピアノコンクール2015 受賞者演奏会今回、B部門第1位の西村さんとA部門第1位の大渕さんの二人が、レオポルド・ゴドフスキーの超絶技巧の楽曲を弾かれました。私は生きている間、弾けそうもない難曲です。いずれも生で聴いたのは初めて。こういう珍しい曲が前半と後半のトリで演奏されるのは、マニアなアマコンらしくて面白い。通常の受賞者演奏会で、こういうプログラムはまずないでしょうね。

それから、A部門2位の下村さん、ブラームスの交響曲第1番の第4楽章をピアノで聴けるとは! 一人で全曲、弾いたら楽しいだろうな。こちらも、私は生きている間、弾けそうもない難曲ですが。ベーゼンドルファー・インペリアルの性能が、十二分に発揮された演奏でした。

私と近しいスタイルを感じたのが、B部門入選の浅野さんが演奏したリャードフの前奏曲。自分に合った選曲って大切だと思うのです。その点、彼女が醸し出す雰囲気にとてもマッチしていた。楽曲への深い慈しみを感じました。

最後に、審査委員長の辛島輝治東京藝大名誉教授のご挨拶。「国際アマチュアピアノコンクールが昨年10周年を迎えて、ずっと一緒にピアノに向き合ってきた皆さんと、新しいところに行ける気がします」とのこと。確かに10年間皆勤の参加者が多数いらっしゃるので、辛島先生もご存知の方がたくさんいるのでしょうか。

いつもながら、同じ社会人で頑張る人たちの演奏を聴くと、「よーし、いっちょ家に帰ったら練習しよう!」と元気になれます。今年の夏も、国際アマチュアピアノコンクール、参加したいです。


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