スーパーオーディオCDでブルックナーを聴いた

2015年8月1日

Super Audio CD学生時代、留学していた際、学生寮で同じ部屋に住んでいた4つ年上の先輩の家に遊びに出かけた。

アジアの民俗文化とヨーロッパのクラシック音楽が好きという私のニッチな嗜好に、珍しくマッチする先輩で、留学時代は、一年間、夜を徹していろんなことを語り合った。

実は、お互いの自宅が直線距離でそんなに離れていないことを最近知り、「遊びにおいでよ」と誘われてバイクで出かけた。

で、驚いたのがオーディオ機器。奥さんもクラシック音楽ファンということで、でっかいスピーカーとシルバーに輝く大型のプレーヤー&アンプがリビングルームに鎮座していた。

そして、壁一面にクラシック音楽のCDラックが。これはみんな管弦楽。ピアノと室内楽は自分の部屋に置いてあると。しかも、CDはすべて「スーパーオーディオCD」だという。最近、「ハイレゾ(ハイレゾリューションオーディオ)」という言葉がちらほら耳にするようになったが、私は「スーパーオーディオCD」なる存在を知らなかった。

スーパーオーディオCD(Wikipedia)
スーパーオーディオCD総合サイト

「スーパーオーディオCD」は、CDと同じ直径120ミリの光ディスクに、オーディオデータをCD以上の高音質で記録したもの。再生には専用のオーディオが必要だし、通常のCDよりも値段は高い。例えば、ビル・エヴァンス・トリオの名盤「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」は、通常のCDだとアマゾンで1527円だが、2014年11月26日発売予定のスーパーオーディオCD版は3780円。倍以上の値段がする。

ちなみに再生オーディオ機器の値段を尋ねると、スピーカー込みで100万円ちょっと。「これでも安い方だよ」とのこと。オーディオ好きは数百万円を平気で投資するらしい。私ならボストンか、シゲルカワイのグランドピアノを買うようなものだろうか。

「うさぎくん、何聴きたい、何でもあるよ」と先輩がいうので、せっかくなら管弦楽にしようと思い、ブルックナーの交響曲第3番にした。いつもカール・ベーム&ウィーンフィルを聴いているので、カラヤン&ベルリン・フィルをリクエスト。

確かに、第一楽章、最初の弦楽器の弱音が、微妙に空気が震えるように聴こえてくる。普段、イヤホンで聴いているのが「耳で聴く」とすれば、スーパーオーディオCDの響きは「身体で受け止める」という感じだ。

久しぶりにブルックナーの交響曲を一曲まるまる聴かせてもらった。

ただ、スーパーオーディオCDにしろハイレゾにしろ、私の場合、機器の購入資金以前に、じっくり音楽を身体で受け止められる時間の確保の方が難しそうだ。


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