モーツァルトのアダージョ、PDCAを回してみる

2015年8月4日

PDCAサイクル
国際アマコンを第一次予選で落ちて10日あまり経ちました。実は「二次予選へ進めなかったこと」よりも「二次予選に進めなかったのにショックを受けなかった」ことの方が、気持ち悪さを感じています。当日のブログにこんなことを書いてます。

これまでミスで弾き直したり、転んだりして「アチャ!」と思ったりした後悔とは違った“気持ち悪さ”を、客席について感じました。(中略)結局、「音楽に心を預けていない」というか、「音楽に自分を賭けていない」というか。

この“気持ち悪さ”をずっと引きずっていて、10日間、いろいろと思いを巡らせていました。

「音楽に心を預けていない」という精神論に走ると、具体的な“手”が打てそうにないので、ビジネスで使われるフレームワークを利用して、考え直してみました。

ビジネスのフレームワークで演奏を見直す

しばしば私たちは「PDCAを回す」という言葉を使います。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことで、業務を継続的に改善する手法です。

PDCAで考えると、Check(評価)は「一次予選を通過できなかった」になりますから、次のアクションは「改善」が必要になります。

もし、一次予選は通過し、二次予選に落ちて本選に進めなかった場合は「残念無念」という思いで終始していた気がします。ですが、一次予選に落ちるとなると、どこか根本的な原因があるのだろうと考えました。

というのも、選曲、準備はこれまでになく入念に進めましたし、いくつも参加してきたコンクールの本番の中では珍しく緊張することなく、冷静に演奏していたからです。

来週、ピティナコンペティションのグランミューズ部門の地方予選があります。このまま、国際アマコンと同じスタンスで臨んでも、予選を通過できない可能性が高いだろうと判断しました。

どのような「Act(改善)」を行うべきか?

今日、改めてこれまでの演奏動画を、できるだけ「他人の耳」で客観的に何度か聴いてみました。で、わかったことは「自分が弾きたい演奏」であって、「他人がどのように聴かれるか」という視点(聴点?)が抜け落ちていたのでは、ということ。

昨年のベストセラーのビジネス書に『伝え方が9割』(佐々木圭一著)という本がありました。「自分が伝えたい明確なメッセージがあっても、伝え方によって理解のされ方が違う」、ざっとそういう内容の本です。

本番で演奏した「モーツァルトのアダージョ」、ここに課題があったのでは。仕事でいうと、顧客への提案内容はよくても、プレゼンテーションの手法に不備があったと確信しました。

あと、予選まであと五日ほど。内容は変わらないけれど、プレゼンテーションの方法を聴く人の「聴点」で抜本的に考え直しました。吉と出るか、凶と出るかはわかりません。

ただ、よりよい演奏のためには、これまで数か月やってきたことに意固地になるのではなく「PDCAを回す」ことが大切だと思うのです。


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