【レッスン】ショパン練習曲10-6、驚きの攻略法

2015年8月7日

先週水曜は、久しぶりに師匠、金子勝子先生のレッスンだった。

春先に腰の手術をされて、しばらくレッスンはお休みされ心配していたが、4月からはフルにお仕事されている。5月中もこの後、夜10時までびっちりと詰まっていて、次のレッスンの予約が取れなかった。働き過ぎでは。

今日は下の2曲を持っていった。

ショパン/練習曲 変ホ短調 op.10-6使用楽譜
モーツァルト/ピアノソナタ K.310 イ短調 第1楽章使用楽譜

楽曲の最後から全体を組み立てる練習法

ショパンの練習曲 作品10-6、この曲は技術的には練習曲全27曲(新練習曲含む)の中で、もっとも難易度が低い。ところが「音楽にする」のは何とも難しい。ショパンの楽曲、中でもワルツなどは、深く考えずに弾いてもそれなりに楽しめるし、それなりに聴ける。

この作品10-6は、よほどセンスと構築力がないと、ただただノンベンダラリと退屈な曲になってしまう。技術的に弾き通せるようになってから、この2週間ほど、完全に自分の中でスタックしてしまった。

ひと通り聴いていただき、師匠からの指摘は二つあった。

一つ目は、メロディーの歌わせ方。ここ数年、古典派やバロックを中心に弾いていたので、メトロノームを使って基本的にテンポをキープすることに注力していた。この曲は、フレーズからフレーズへの“タメ”がないと朗々とした歌にならない。フレーズ間の“タメ”について、歌いながら部分練習をした。

二つ目、これが驚きの練習法だった! 「この曲はね、あえて後ろから練習するのよ」と師匠。最初にラストの一番盛り上げる5小節を若干速めのテンポで10回練習する。次に5小節戻り、最後の1小節をのりしろのようにつなげて、この6小節を10回練習する。その繰り返しで、曲の最初から最後へ部分練習で戻っていく。

ショパン 練習曲 作品10-6
なるほど、楽曲の最後の一番聴かせたい部分を明確にしてから、逆算して全体を組み立てていくのか。これは思いもよらない練習法だった。シューマンのピアノソナタ 第2番 第1楽章 So rasch wie möglich(できる限り速く)もこの攻略法が使えそうだ。「これでしばらくやってみて」と師匠。

オクターブ、親指の脱力が課題

モーツァルトのピアノソナタ K.310 第一楽章。

基本的に全体通して弾けてはいるのだが、コンクールの際、必ず審査員がチェックするポイント。例えば、アルペジオで真中の指(2、3、4)がキチっと入っているか、音価をしっかりキープしているか、自分では気付かずにいた細かい箇所をチェックしてもらった。

後は親指の脱力。親指の力が抜けないと、オクターブの和音がどうしても硬い響きになる。これはアマチュアに多い課題だと、以前にお聞きした。意識的に部分練習をしなければ。

そういえば、私の前に、金子勝子ピアノ教室では珍しく、新しく大人の生徒が入門していた。バリバリの若手キャリアウーマンだ。「わからないことは、なんでもうさぎさんに訊いてね」と師匠。門下で影の薄いグランミューズ組(大人組)にメンバーが増えてうれしかった。早速、アマコン参加を誘ってみた。


金子勝子ピアノブログ ステップbyステップ金子勝子ピアノブログ ステップbyステップ
著者/金子勝子  発行/ショパン社

自分の先生に、なかなか訊くことができない素朴な疑問や悩みに、師匠・金子勝子先生がズバリ本音で答えています。例えば、「二人の先生につきたいが、今ならっている先生に言い出せないのですが‥‥」「自分の先生のリサイタルのとき、楽屋に行ってもいいものでしょうか‥‥」「音大に社会人入学で自信が持てない‥‥」。ぜひ!


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