米大統領選挙雑感「ポーズは革新、心情保守」

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ドナルド・トランプ
11月に入っても、最悪の10月の空気引きずっております。

先週末、「ひどい1週間だった」という愚痴のような記事で、「来週前半、ある新規事業について、役員から社長へプレゼンテーションがあり、プラン...
早くクリスマスも過ぎて、お正月休みにならないかな、なんて思う今日この頃。

トランプ・ホテル・ラスベガス

ラスベガスの「トランプ・ホテル」。金ピカのセンスが私には耐えられない。

さて、先週一週間を振り返りますと、一番の話題はアメリカ大統領選挙ですね。事前のあらゆるメディア(といっていいでしょう)の予想を裏切って、ドナルド・トランプが次期大統領に。感想をひとことでいうと、

ありえんやろ!

でした。大方の日本人の感想も同じではないでしょうか?

私、アメリカの本土を旅行したことがありません。なので、私の知るアメリカ合衆国は、テレビ、新聞、雑誌で見るアメリカです。アメリカの赤い州・青い州の地図は、4年に1度の選挙の度に目にします。私が普段目にするアメリカ=ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ等は、青い州の一部の都市なんだな、と。ここも、今回、大方の日本人が同じ感想を抱いたのでは?

事前の世論調査ではヒラリー・クリントン当選確実だったのに、どうしてずれたのかについては、「隠れトランプ」の存在が選挙後の報道で語られるようになってきました。

取材で感じた”隠れトランプ”の切実さとメディア不信(ハフィントンポスト)
「隠れトランプ」支持、世論調査に入らず(読売新聞)
「隠れトランプ票」番狂わせ招く 世論調査に回答せず(朝日新聞)

表向き、ドナルド・トランプの主張、言説には賛成と声に出せないけれど、心の中で共感、というもの。

これらの記事を読んで、思い浮かんだのが、1980年に出た田中康夫の人気小説『なんとなく、クリスタル』の中で、杉並区民について解説した言葉でした。

ポーズは革新、心情保守。

1970年代の東京は、(今では想像できないですが)社会党と共産党が推薦する美濃部亮吉が都知事を務める「革新都政」で、杉並区というのは革新の「青い州」だったのです。ところが杉並区は、本来、社会党・共産党が基盤とするブルーカラー層が多く住む地ではなく、都心に通うホワイトカラーが数多く住むエリア。杉並区、ローンを借りて一戸建てを持つ住民なら、気分はリベラルだけど、内心「生活を守りたい」、そんな本音をうまく表現したフレーズだと感心しました。

表向きのポーズは合衆国の理念である「平等、自由、幸福追求」だけど、心のうちで移民は嫌、イスラム教徒は不安というのが投票行動に現れたのでしょう。なんてことは、いろんなメディアですでに語られていること。

じゃ、我々日本人がこれに近い現象になりそうなことってなんだろう、と考えました。

それは「女性天皇」をめぐる賛否ではないでしょうか?

ちょっと前になりますが、2009年にNHKが行った「即位20年 皇室に関する意識調査」では、女性天皇について77%が賛成、反対はわずか14%です。

今年2016年8月に日本経済新聞社とテレビ東京が行った世論調査では、「生前退位とともに皇位継承を安定的にするため女性・女系天皇や女性宮家を検討すべきかどうか」について「どちらも検討すべきだ」が58%となっています。

世論調査では、基本的に女性天皇は賛成やや多数とみてよいでしょう。ちなみに私は女性天皇に賛成です。

しかし、これ、もし国民投票を行なったらどうでしょう。賛否が拮抗するのではないでしょうか。現在の皇室典範では、悠仁親王が皇位を継承されます。女性天皇・女系天皇を認める皇室典範になると、愛子さまが継承される可能性が生まれます。

多くの日本人は男女平等という理念・建前を持ちながらも、日本の象徴(日本人の象徴)たる天皇は、やっぱり男子が継承するべきという保守的な心情がぬぐえないのでは? 「人間は男女平等であるべき」でも「日本の象徴は男性であるべき」が、論理的な矛盾があっても並存できるのですね。

今回、アメリカ初の女性大統領が生まれる機会であったにも関わらず、多くの女性がヒラリー・クリントンを支持しませんでした。女性天皇の賛否を国民投票にかけると、意外に反対票を投ずる女性が少なくない気がしました。

そんな雑感でした。