埼玉ピアノコンクール本選&表彰式に参加(後編)

あっという間に、埼玉ピアノコンクールの本選から一週間が経ってしまった。今週、審査員の先生からの本選の講評も届いたので、忘れないうちに書き残しておかねば。

本選出場者は表彰式参加が必須

さて、埼玉ピアノコンクールは三連休の11月3日(祝)にアマチュア部門の本選があり、翌4日(土)に全部門の表彰式がありました。本選の模様は前編に書きましたので、そちらをご覧になってください。後編は表彰式の様子をレポート。

表彰式は本選と同じく、彩の国さいたま芸術劇場の音楽ホールで開かれます。午後3時に受付開始、午後4時スタート。本選参加者は「全員参加」が基本ルール(実際には表彰された人でも欠席している方が何人かおられた)。三連休の2日間がつぶれるのは、家庭がある身には正直辛かった。

表彰式開始前に昨年のF部門の金賞受賞者の方の演奏がありましたが、行きの道路が渋滞しており、到着が4時ぎりぎりになり聞けずじまい。音楽ホールに足を踏み入れると、ちょうど主催者の挨拶が始まるところでした。

主催者として埼玉新聞社の社長が挨拶。「アマチュア部門の参加者が増えることは、埼玉県のピアノの層が厚くなる」ことを指摘。今後もアマチュア部門に力を入れていく意思を感じました。

その後は、審査員からA部門からF部門、アマチュア部門、連弾部門と、8部門の講評が述べられました。アマチュア部門は小林功先生が講評。以下、書き起こし。

毎年のことですが、アマチュア部門の出場者は個性がしっかりしていて、曲に対する思いの深さ、情熱がよく伝わってきます。多くの出場者がていねいによく弾き込んでいました。また、さまざまな選曲も楽しめました。どのようなレベルの方にも、ご自分の好きな曲でコンクールを目標に参加していただくことを望んでいます。

ここまでで30分ほど経過。長い……。

存在感ある北川暁子審査副委員長
(東京藝大名誉教授)

そして、司会の女性の「皆様、お待たせしました!」というアナウンスで、ようやく受賞者の発表。で、A部門から特別奨励賞、銅賞、銀賞、金賞と氏名を読み上げ、表彰状の授与。次にB部門、C部門と進み、アマチュア部門まで至るのににずいぶんと時間が経過しました。

ドキドキの結果発表

ようやくアマチュア部門の結果発表。

ドキドキの結果は……残念。受賞はなりませんでした。脱力。ただ、「入賞」=本選参加賞の賞状はいただきました。

金賞はショパンのバラード1番を演奏された山野花穂さん。私、全員の演奏を聞きましたので、この方々だろうなと予測通りでした。ショパンのバラード1番ってピアノ好きなら何度も聴き込んでいるので、どうしても粗が目立ってしまうのです。でも、「バラ1」をこれほど安定感を持って演奏するアマチュアを見たことありません。ダントツ。

その他、予選のときにお声がけいただいた2名の参加者も銅賞、特別奨励賞を受賞。おめでとうございます。

なわけで、1時間強に及ぶ表彰式を終えて、クルマで帰路につきました。

しかしなぁ、表彰式を受賞者以外も参加必須にするのはいかがなものでしょう。ま、大人はいいのですよ。

私の周辺には、A部門、B部門に参加した小学生のファミリーがいました。娘をちゃんとドレスアップして、クルマに乗せてやってきて、子供の名前が呼ばれなかった表彰式の帰り道、私、もし自分の娘だったらどうフォローしようかと悩みますよ、絶対に。

それに、同じピアノ教室で同門の生徒が表彰式に参加して、一人は受賞、一人は受賞できなかったというシチュエーションも十分に想定できます。どちらの子供の親も、お互いきっと気を遣うはず。

帰宅後、子供の頃、このコンクールに参加した方にメールで尋ねてみたら、「ステージに呼ばれた受賞者を見るのも、よい経験になる」というのがその趣旨とか。ホント?

5人の審査員の講評を公表!

結果は入賞=本選参加賞ではありましたが、とても気持ちよく演奏することができました。そこは大満足です。これまでコンクールの演奏の後、「あそこ、ああすればよかった」「なんで、あそこミスしたんだろう」とか、しばしば思い出したりしましたが、今回はなかったです。

先週届いた講評を読むと、伝わるところは伝わっていたことを実感。以下、講評を公表。

■ A審査員

  • フランソワ・クープラン:バロックの雅な雰囲気の中で装飾音がきれいです。よく歌っていて音色の変化も程よくて美しい。
  • モーツァルト:ヘ音記号のバスのメロディーはより太い豊かな響きで弾いてください。デリケートなコントロールの効いた柔らかなタッチを持っています。レガートも上手。

■ B審査員

  • フランソワ・クープラン:よく弾けています。右手をもう少しクリアにし、左手に埋もれないようご注意を。装飾音もさらに音の輪郭がはっきりしてくるとよいですね。
  • モーツァルト:音の扱いが丁寧で好感が持てます。こちらの曲は左右、よいバランスで表現できていました。

■ C審査員

  • フランソワ・クープラン:後半は特に装飾音に対する打鍵も安定し、自分の思った音楽を展開できたと思います。
  • モーツァルト:すべての声部が独立性を保ち、違う音色を持って主張すると、音楽の表情が大いに変化すると思います。少しこじんまりした印象です。しかし、この曲の意味はよく理解していると思います。

■ D審査員

  • フランソワ・クープラン:とてもよく雰囲気が伝わり、トリルもきれいでした。難しいですが、トリルはさらにもっとクリアに色々な音色で弾かれてもよいでしょう。特徴ですからね。
  • モーツァルト:とてもよく音楽が伝わりました。ていねいな音作りでした。バランスとして低い音がもっと出ると、空気、音色感が広がるでしょう。

■ E審査員

  • フランソワ・クープラン:チェンバロの雰囲気がよく出ていました。
  • モーツァルト:伴奏の連打をちょっと控えめ(あるいはテヌート気味)にするとメロディーがきれいに聴こえると思います。

5人の審査員の先生方の具体的な講評がいただけるだけでも、参加しがいがありました。クープランもモーツァルトも、これでさらに磨きがかけられそう。ありがとうございました。


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