感想/直木賞受賞作『蜜蜂と遠雷』をスマホで2倍楽しむ方法


話題の直木賞受賞作『蜜蜂と遠雷』を読みました。日本で開催される国際ピアノコンクール(浜松国際を下敷きにしています)を舞台にした青春群像劇で、長編小説ながら一気に読み進めることができました。

ただ、感動したか? 快作か? と言われると、「うーん」といったところです。同じクラシックピアノをテーマにした最近の小説では、『シューマンの指』『羊と鋼の森』の方が面白かったな。

感想/小説『シューマンの指』に胸キュン

文章で音楽「聴かせる」のは難易度高し

物語は四人のコンテスタントがコンクールにエントリーして、本選まで進む過程を時間に沿って追っていきます。ネタバレになりますが、大きなどんでん返しがあるわけでなく、妥当な結末でした。

小説というより少女マンガ。2次元よりも、ドラマ、映画で見た方が楽しめそう。やはり音楽を文章で「聴かせる」というのは、一流の作家であっても難易度が高いんだなという印象でした。

以下、面白かった点、私が合わなかった点をいくつか。

■ 面白かった点

  • 現在のクラシック音楽のあり方、課題について、非常にわかりやすく指摘している。
  • クラシックピアノの名曲が著者ならではの視点で解説されていて、聴き方の参考になる。
  • ■ 合わなかった点

  • 後半、第三次予選以降は冗長だった。無理やり引っ張った感あり。
  • 曲をめぐる妄想ストーリーがスパークして、個人的にドン引き(特にリスト「ピアノソナタ ロ短調」)。
  • 主人公の一人・風間塵の養蜂家としてのバックボーンを、もう少し丹念に描いて欲しかった(父親の人物像が気になった)。
  • 総じて面白かったです。娯楽小説として十分に楽しめます。

    スマートフォンでこの小説を2倍楽しむ

    ところで、私、この小説は主に通勤時間、iPhoneで読みました。今や、読者は紙よりも電子書籍に移行してしまいました。

    この小説のユニークな点は、最初に予選から本選まで全登場人物のプログラムを発表しているところです。


    ですので、先ほど、音楽を文章で「聴かせる」というのは、一流の作家であっても難易度が高いんだな、という感想を書きましたが、iTunesで実際に音楽を聴きながら読み進めると、マルチな体験を楽しめました。

    もし、これからお読みになる方は、電子書籍(Kindle、kobo等)&聴き放題サービス(Apple Music、Spotify等)でこんな楽しみ方を提案します。

    まず、iTunesにプレイリストを作成。例えば、「蜜蜂と遠雷」栄伝亜夜 第3次予選プログラム等。Apple Musicでプログラムの楽曲をプレイリストに追加します。

    「蜜蜂と遠雷」栄伝亜夜 第3次予選プログラムのプレイリスト

    物語は時間軸で進むので、作成したプレイリストで音楽を聴きながら、登場人物の演奏するシーンを読み進めると、マルチな読書体験を得ることができます。

    左/楽天koboのアプリで読書。右/iTunesでプレイリストを再生

    最初に書きましたが、この小説、クラシックピアノの名曲を著者ならではの視点で解説してあります。ですので、音楽と一緒に読んだ方が、2倍楽しめますので、ぜひ試してみてください。


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