65歳、20年後のセルフイメージ

私は髪の量がとても多く、おかげさまで美容師には今から抜け始めても20年は大丈夫と言われている。ただ、ずいぶんと白髪が増えた。美容室に行く度にカラーリングをしてもらうが、1か月もすれば髪の根元が白くなり始める。

先日、美容師にいっそのことアンディ・ウォーホルのような銀髪にするのはどうかと尋ねてみたら、それはそれでメンテナンスが大変だと言われた。もはや白髪交じりの現状は「そういうものだ」と割り切るしかあるまい。

ただ、髪の量が多いのでそのまま放っておくと、キノコ雲のような頭になってしまう。カットする際は思いっきり梳いてもらうようにしている。

また、たまに鏡をじっくり見ると肌の劣化はいかんともしがたい。特にあごのたるみが気になる。重力の影響か、こちらも「そういうものだ」と割り切るしかない。

先日、30代中盤、10歳ほど年下の営業系女性と食事をした際、「もう男性として劣化だよね」なんてことを口にしたら、「そんなことないですよ。それはそれで十分にセクシーです」と言ってもらえた。セクシー? ま、酔った勢いで慰めてくれたのだろうけど、そろそろ“枯れつつある”美しさに向けてイメージトレーニングした方がいいのかもしれない。

実は20年後、「こんな風貌に歳を取りたいな」と思っている男性がいる。ちょうど20歳年上、元チューリップの財津和夫65歳だ。

65歳になったとき、ジーンズとポロシャツ、コンバースのワンスターで、ラヴェルやプーランクの小曲を力を抜いて弾けたら‥‥そんな老人になりたいと思う。


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