ピアニストの仕事を「貸借対照表」で考える

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株式会社は年に一度、会社の持つ資産と負債を調べて「貸借対照表」を作成します。その年の儲けの動きを追った「損益計算書」と共に、企業経営に必須の財務諸表と呼ばれるもの。「貸借対照表」は、なかなかに深い内容があり、一流の会計士が読むと、会社の体力、成長性、問題点が即座に見て取れるそうです。

貸借対照表

この「貸借対照表」的な考え方は、会社以外でもいろんなシーンで活用することが可能です。例えば、家庭に置き換えて考えることもできます。専業主婦は「損益計算書」的な考え方の達人ですが、「貸借対照表」的な思考はあまりしないもの。私は、年に一度、年末に世帯主たるもの、家庭の「貸借対照表」を作るべきでは、と思ったりします。

ある時点で、マンションや自動車を売るといくらになるのかを算出して「固定資産」として計上し、住宅ローンの残高を「長期借入金」として計上すれば、資産と負債のバランスがわかったりします。地域の活動に従事して、人望の高いお爺さんがいる家庭は「無形固定資産」の額が高いのかな、とも考えられます。

ピアニストもプロである以上、「貸借対照表」的に考えることができます。例えば、手持ちのグランドピアノは有形固定資産で、レパートリーは無形固定資産の中のソフトウェア、コンクール受賞歴、有名ピアニストの師弟という肩書きは「のれん」にあたるのかもしれません。

一方、子どもの頃からピアノを習わせてもらったレッスンの積み重ねは「自己資本」と考えるのではなく、いつか両親にお返しする「社債」と考えるべきでしょう。

そういえば、今年、もっとも思い出深い出来事が、私の仕事の師=丹羽宇一郎元伊藤忠会長の中国大使としての赴任でした。

7月、師の「最後の授業」でのアドバイスが身にしみます。

“資産は必ず劣化する”、これだけは頭に叩き込んでおきなさい。そして毎年、資産をレビューしなさい。

これをピアノで考えると、こうなります。

“レパートリーは必ず劣化する”、これだけは頭に叩き込んでおきなさい。そして毎年、レパートリーをレビューしなさい。

経営の核心をつく、名言だな。

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