モダンピアノ愛好家によるバロック演奏会の報告

モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート

3月の最終土曜、「pre1750~モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート2014」年という演奏会に参加しました。昼12時20分から夜6時30まで、約6時間にかけてJ.Sバッハの没年である1750年以前に生まれた作曲家の楽曲、全41曲を演奏するコンサートです。チェンバロ、クラヴィコード、モダンピアノの3台を並べたステージは、なかなかユニーク。

モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート

私はチェンバロ、クラヴィコードといった古楽器はちょっと自信がなかったので、モダンピアノを選びました。下の3曲を演奏。

<第1部>
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻第24番ロ短調 BWV893

<第3部>14:55-15:55
J.P.ラモー:クラヴサン曲集と運指法第2集(第3組曲)より 3.ため息
F.クープラン:クラブサン曲集第3巻第13オルドルより 2.葦 

会場は、JR大塚駅近くにある南大塚ホール。初めて出かけるホール。住宅街の真ん中にあり、ちょっと場所がわかりにくかった。

モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート

男性用の楽屋に入ると、プロの金子一朗さん、内藤晃さんのほか、昨年の国際アマコン一位の吉村英二さん、二位の中村晃さんがいて、ちょっと緊張しました。普通にお話する分ならいいのですが、この方々と一緒にステージで演奏するのはちょっと気が引けます。

もともと「バロックオフ」という名称で募集があり、お声がけいただいたので、「アマチュアのバロック好きが集まったサロン形式のオフ会」程度に考えていたのですが、蓋を開けてみると実力ある方々の名前が並んでいてびっくり。こりゃ、大変だと気合いを入れて練習をしました。

まずは、第1部の5人目に平均律2巻のロ短調を演奏。コンクールでもなく、また無料の演奏会の第一部ということで、あまり緊張はしなかったのですが、今まで経験したことのないミスをやらかしてしまいました。

なんと前奏曲を、1オクターブ高い位置で弾き始めてしまった! こんなの初めて。このまま最後まで弾き通そうかと一瞬、思ったけれど、思い直して本来の位置で弾き直しました。ちょっと動揺してしまい、微妙にいつもよりテンポが早く弾いてしまい、フーガは引っ掛けまくってしまった。ソチ五輪、ショートプログラムを終えた浅田真央ちゃんの気分が何となくわかりました。

楽屋に戻ると、「オクターブ間違いってやる人、結構いるんですよ」と声をかけられました。なるほど。今日やらなかっても、いつかこの間違いやってしまっていた気がする。「いつか必ず起こる事故が、今日起きたんだ」と思うことにしました。これで、二度とオクターブ間違いは起こすことはないでしょう(たぶん)。

逆に、SPの失敗をフリーで取り戻す!と言いますか、第3部のラモーとF.クープランは、落ち着いて情感こめて演奏できました。ドイツものよりも、フレンチバロックの方が自分に合っている気がします。

後日、下のようなツイートを発見。ご来場いただき、ありがとうございます。

バロック音楽演奏会第3部終了。飽きるだろうとの予想に反して、興味深く聴いている。クープランのクラヴサン曲集第3巻第13オルドルの葦は、心に響く作品だった。第4部も平均律クラヴィーア曲集からの演奏が多いが、ヘンデル、フレスコバルディの作品もある。

— 無鉄砲 (@igaigat) 2014, 3月 29

とにかく、終日、バロック三昧。プロの内藤晃さんのフランス組曲、金子一朗さんの平均律はレベルが違ってました。すごいな。

演奏会終了後、男性陣はクラヴィコードにはまってしまい、ちょっとした試弾大会に。クラヴィコードは蚊が鳴くような小さな響きなので、防音室なしでも大丈夫。普段、ベッドの下にしまっておいて、夜、おもむろに取り出して弾いたりもできる。ただ、弾く前に自分で調律しなければならないけど。

モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート

その後、チェンバロの後片付けの手伝いを。一つひとつパーツを分解していく過程は、なかなか興味深かったです。グランドピアノと違ってチェンバロは手工業製品。分解することで、手作りの「足あと」を追うことができます。

モダンピアノ愛好家によるバロック音楽コンサート

次回は、2015年3月29日(日)、東京オペラシティの近江楽堂で開催予定。チェンバロとフォルテピアノを使用。もし、参加できれば、フォルテピアノでクレメンティのソナタなんて弾いてみたいです。


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