ピティナステップ、新百合ヶ丘へ

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ピティナステップ新百合ヶ丘
ピティナステップの参加も今回で5回目。新百合ヶ丘のステップは、昨年に続いて2回目。今日、演奏するのはJ.S.バッハ「トッカータ ホ短調 BWV914」。

今回は、これまでと違って開始時間が朝10時45分と早い。ほとんどのピティナステップは、朝一番から年少参加者の演奏で始まり、グランミューズ(社会人)の演奏は夜6時以降になる。今回は参加者が多く、2日間にまたがったためか、私は2日目の朝一番のステージだった。こちらが今日のプログラム

早めに到着。新百合ヶ丘の町をプラプラ

受付開始は10時15分。9時20分すぎに新宿から小田急線の快速に乗ると、9時45分には新百合ヶ丘駅に着いてしまった。新百合ヶ丘って、都心からこんなに近かったっけ。仕方がないので、30分ほど駅周囲をプラプラ散歩して時間をつぶす。日向ぼっこしている鳩、インカのピラミッドのような不思議なオブジェ、港の倉庫のような昭和音大‥‥暇にまかせて目を凝らすと、いろんなものが目に入った。
ピティナステップ新百合ヶ丘
10時15分ジャストに、会場の昭和音大北校舎「ラ・サーラ・スカラ」へ。私がほぼ一番乗り。その後、ポツポツとグランミューズ組の参加者が現れた。

座席に座っていると、「鍵盤うさぎさんですか?」と声がかかった(ブログをやっていると、コンペでもステップでもお声掛けいただくことが多い)。

「西の魔女」との出会い

振り返ると、ウルトラ上品な老婦人が立っている。中原淳一の『それいゆ』に出てくるイラストの少女が古希を迎えたら?って感じの女性だ。あるいは“西の魔女”‥‥。

西の魔女「ブログを見て、近くだから聴きに来ました」
鍵盤うさぎ「え! 恐縮です‥‥」
西の魔女「私も、いま同じ曲やっているんですよ」

と、トッカータの楽譜を見せていただいた。私の楽譜は春秋社の井口基成の校訂版だが、西の魔女は原典版をお持ちだった。

西の魔女「私、手が小さいもので、なかなか弾きづらいのです」
鍵盤うさぎ「私も、実は手が小さいんです」

お互いの掌を見せ合った。一瞬、映画『ハウルの動く城』のワンシーンを思い出し、温かい気持ちになった。

西の魔女「演奏、楽しみにしていますよ」
鍵盤うさぎ「いえいえ、今日はまだ仕上がっていないんで」

なんて、やりとりをしているうちに司会が開始を告げた。
ピティナステップ新百合ヶ丘
グランミューズ組の参加者は6人、私は3番目の演奏だった。

結果は、「ところどころ崖崩れを起こし、寸断されてしまった高速道路」みたいなトッカータだった。自己採点は48点。

ま、初めて人前で弾くので、今日はクローズドベータ版という位置づけで多少の崩れは許容範囲だったが、想定よりも悪すぎた。各所でミスタッチを連発した。

実は、今日のステップはうちの師匠主催で、タイトルにKatsukoという名前まで冠されている。演奏を終えてアドバイザー席の師匠をチラっと見ると、「ありゃりゃ」って表情をされているような‥‥あちゃ、すみません。

私はステージでの演奏が実力値だと思っている。一人、部屋でどんなにうまく弾けても、満足はできない。演奏って、弾く人と聴く人のコミュニケーションだし。

敗因の分析をば

今回の敗因は明快。それは、暗譜で弾くか、読譜で弾くか、どっちもつかず中途半端になってしまったこと。

トッカータ、暗譜がまだまだ甘い状態で自信がなかった。今年2月、ステップでバッハを弾いた際、記憶がぶっ飛んでまったく弾けなくなることがあった。だから、今回、安全策を採って読譜でのぞん
だ。おかげで、ステージに出るまでは、暗譜で弾くときよりも緊張せずに出番を待てた。

ところが、いざステージに出て弾き始めると、何だか楽譜ばかりを目で追ってしまい、視覚と触角が離れてしまったような嫌なモードに。おかげで、普段崩れない箇所でも、ころころとミスタッチを連発してしまったのだ‥‥。

今回の教訓。

暗譜と決めたら、完全に暗譜した状態になるまでステージに立ってはダメだ。

実際は2ヶ月前に参加申し込みが必要なので、暗譜が完成してからだとずいぶん先になってしまうのだが。

逆に読譜で弾くなら、楽譜に目を凝らし、完全にブラインドタッチで弾かないとだめだ

暗譜演奏は読譜演奏の上位にあるのではない、それぞれ別のスタイルなのだ。

そういえば、ステップに50回以上参加されているマイミクさんが「ステップは防災訓練のようなもの」と日記で書かれているのを見て深く共感したことがある。私にとって、ステップは「本番で事故を起こさないための予行演習」という考え方がしっくりくる。

読譜で弾いた今日のバッハは、マニュアルを見ながら防災訓練を行ったようなものだな。次回の防災訓練では、マニュアル抜きで演奏しよう!と心に決めた。

ところで、今回のアドバイザーは、師匠・金子勝子先生ほか、江口文子先生、江夏範明先生の三人。重量級の布陣だった。以下、講評の要約です。「忌憚のない意見をお聞かせください」と最初にコメントでお願いしたのだけど、何だかちょい甘めな気が‥‥。

■ 江口文子先生
評価:Great
音色も良く、音楽的に素晴らしい演奏です。曲全体がひとつの流れになると、さらに統一感がある表現になると思います。

■ 江夏範明先生
評価:Fine
意思の通った響きのある音で自身の音楽を伝える演奏です。指先の不揃いからくる音質のムラがバッハには痛いので、日ごろからゆっくりのテンポで音をよく聞き、頭でイメージした音と指先が連動する練習をつんでください。とても良いところとミスで崩れるところが混在でしたが、全体的に心のある演奏でした。

■ 金子勝子先生
評価:Great
あがってしまいましたか? 左手のテーマがもう少し響くとよかったです。アダージオは、もう少し次から次へと場面をイメージして。左手をもう少ししっかりと語れるように! フーガは出だしがモタモタしてしまったが惜しいです。今後、もう少し左手を取り出して練習してください。

最後に、今回ステップ参加が五回目なので継続表彰というのを受けた。ドレスを着た少女とステージに上がるのは、やっぱり恥ずかしい。表彰後、アドバイザーの先生と記念撮影ってことになったのだが、「すいません、写真は勘弁してください」と固辞。ピティナのホームページによく写真が載っているじゃないですか。もし、会社や取引先のスタッフに発見されたら、後々面倒なことになるし。

ただ、大御所・江口文子先生に「ぜひ一緒に撮りましょうよ!」とお声がけいただき、断るわけにもいかず、結局、記念撮影に収まった。
講評用紙をもらうと昼1時過ぎ。いつもよりとても早い時間に終わって、不思議な感じ。新百合ヶ丘駅構内のベーカリーで、遅めのランチを食べて帰路についた。

追伸:
“西の魔女”さま、お名前だけでも聞いておけばよかった‥‥と後悔しております。もし、ブログをご覧になりましたら、下の「非公開コメント」で書き込みいただけるとうれしいです。

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コメント

  1. 小田急線3つ先の駅より より:

    昭和音楽大学はじめてみた。デカい。ただそれだけ。
    街並に溶け込んでる音楽学校をイメージしたのが間違いだった。核廃棄物処理施設っーか、あそこに一度入ってでてきたら加工されてそう。限りなく工場イメージで残念でした。
    ピティナは北校舎でパチンコ屋の隣でこっちのほうが離れのレッスン室みたいでいいですね。実は、昨日、一介の観客として涼みがてら、カミさんと一人500円払って、ジュニアの見に行ったんですよ。子供衆みんな上手いよなぁ。あがって緊張していてあれだけ弾けるんだから凄い。それと親御さんの熱気も独特のものがありましたね。
    自分だったら緊張してダメだろうな。あの病院の受付番号が前に表示されて、中待合室みたいに前に寄せられて。ああ、病院だな。。こりゃ。。
    うさぎさん長きの健闘をお祈りします。
    通りがかりで適当な発言失礼しました