アールンコンクール入賞者演奏会報告(前編)

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5月4日に横浜市青葉台のフィリアホールで行われた、アールンピアノコンクール入賞者演奏会のご報告です。

演奏会は12時30分にスタート。受付や着替えがあるので、11時40分頃に会場に到着するように自宅を出る。フィリアホールは東名高速の横浜青葉インターチェンジからすぐ。タキシードやら靴やら荷物が多く、クルマで行きたいところだけど、ゴールデンウィークの高速道路は料金1000円の影響で渋滞!とニュースで繰り返している。安全策を採って、電車で行くことにした。

タキシードはスーツカバーに包んで持っていく。買ったばかりの黒い革靴は、わざわざ旅行用のスーツケースを取り出すのは面倒なので履いていくことにした。ジーンズに黒いフォーマルな革靴と黒い皮ベルト、楽譜の入った吉田カバン。見た目はちょっとヘンだけど、ま、いっか。中年になると、どうもファッションにルーズになる。
アールンピアノコンクール入賞者演奏会渋谷から東急田園都市線に乗る。私は、東京の西部~北西部(中央線、西武新宿線・池袋線、東武東上線沿線)は比較的詳しいが、東京の南西部、世田谷区から川崎市&横浜市の“奥地”にはまったく疎い。田園都市線沿線は、二子玉川から先へは足を踏みいれたことがない。

昨年末、新百合ヶ丘の昭和音大でのステップに参加したときも、小田急線で多摩川を越えると車窓からの風景が急に山がちになり、ちょっと不安になったっけ。今回も多摩川を越えると、丘を切り崩して造成した小ぎれいな新興住宅地がずっと続く。何だか用事で仕方なく、お金持ちの親戚のおばさん宅を訪ねるような居心地の悪い気分になった。

午前中に郊外に向かう列車なので、車内は空いていた。前の座席にはずっと手をつないでいるキレイめのカップル、隣にはベビーカーに子供を乗せたファミリー。「ここから始まる、私の休日」なんて、東急不動産の広告に出てきそうな「田園都市線ワールド」だ。私一人、場違いな感じ‥‥。

鷺沼駅で各駅停車から急行に乗り換える(左上写真)。“プラーザ”という呼称がずっと気になっていた、たまプラーザ駅を初めて見た。だけど、隣のあざみ野駅や少し前の宮崎台駅と、今ひとつビジュアル上の違いがわからず、少々期待外れ。“プラーザ”なんていうから、勝手にゴージャスな印象を抱いてたのです。“娯楽の殿堂、たまプラーザ!”なんてね。

そうこうするうちに青葉台駅に到着(右上写真)。うーむ、この駅もあざみ野駅、たまプラーザ駅との違いがわからん。駅を降りると、東急ストアがあって、東急不動産があって、無印良品があって、スターバックスがあって‥‥二子玉川を越えると、みんな同じ街に見えるよ。その点、JR中央線なんて一駅ごとにキャラが立ってるよな。文教の街・国立の隣は、競輪の街・立川と万葉ロマンの街・国分寺だもんね。
東急沿線のお話はここまで。
アールンピアノコンクール入賞者演奏会フィリアホールは、駅に隣接する複合ビルの5階にある。ファミリアや無印良品の入ったショッピングビルだ。本館はここかなと、エスカレーターをずんずん上がっていくと、でっかい石丸電気のフロアに到着。「あれ、間違ったっけ」と思ったら、フィリアホールは石丸電気の上の階だった。パチンコ屋の上にあるピティナの本部もびっくりしたけど、家電量販店の上にクラシック音楽向けホールというのも意外な感じ‥‥。

エントランスをくぐると、受付にこのブログ(だけ)でおなじみ、事務局美女1号と2号がいた。いつもながら、にこやかな笑顔で迎えてくれる。

「お名前をお願いします」って。あは、やっぱりオレの名前、覚えていないよね。栃木、鎌倉、青葉台と三度目だから、もしや覚えてくれてるかな、と、ちょっと期待してたんだけど。「あ、鍵盤うさぎさんですね?」なんてね、えへ。

事務局美女1号から、出演者用の小さな黄色いリボンとピンク色のプログラムをもらって、受付奥の控え室を案内された。

あれ、控え室って‥‥鏡がないのですが‥‥なのにマイクがあるよ‥‥変わった部屋だな、と、いぶかしく思ったら、なんとチケット売り場の控え室でした! ま、男性出演者少ないし、楽屋はレディファーストですね。

タキシードをコート掛けに吊るして、まずはプログラムを確認。私は14時30分からの演奏。アマチュア→高校生→大学生の順番で、アマチュアのトップバッター。よかった、よかった。チラシには最後に名前が載っていたので、「もしもラストだったら嫌だな」と密かに気をもんでいたのです。やっぱり、F級(大学生以上)第一位の人がトリを弾かないと、ね。

時計を見るとまだ正午前。次にホールの確認に向かう。重い扉を開くと、想像していたより小ぶりなホールだった。ドラマ『のだめカンタービレ』の映像だと、もっと大きなホールに見えた。広さの割りに天井が高く、開放的な雰囲気。ピアノソロの演奏会には理想的なホールです。
アールンピアノコンクール入賞者演奏会朝一番にカロリーメートを一つかじっただけだったので、まずは腹ごしらえ。一回のMUJI CAFEに向かう。ここはデリスタイルになっていて880円で三品をチョイスする仕組み。

胃に軽そうな鶏肉のハンバーグとジャガイモのバジル和え、レンコンのサラダをオーダー。パンとライスが付くので、パンを選んだ。以前、本番前にカレーライスを食べて、胃がすごく重くなったことがあった。本番前は軽いものが正解です。

ランチを食べ終わった後、紅茶を飲みながら、楽譜を前に目を閉じて、これから演奏する二曲を頭の中で響かせる。これは、フィンガートレーニングの先生に教えていただいて、栃木の予選以来、本番前に必ずやるようにしている。本当に身体の中に音楽が満ちるから不思議だ。

13時50分から10分間、楽屋でリハーサル可能とのこと。3、4回、頭の中で演奏してから、13時20分控え室に戻る。控え室には、私の前に演奏するS君がお母さんと一緒にいた。S君はピティナのコンペでも活躍する、ちょっと有名な高校生。お母さん、部屋にいるのを遠慮されたけど、「気にしないでください」ってチケット売り場で着替えをすませた。カーテン一枚を隔てて外側はホールのエントランス。カーテン越しに私の着替えがシルエットになってたりして‥‥。蝶ネクタイは、部屋に鏡がないので仕方なく男子トイレに行って締めた。

13時50分にリハーサルのできる楽屋へ。ホールの大きさの割りに、天窓から日の光が差し込む充実したバックエンドでびっくり。10分間、アップライトピアノで最後の練習をした。隣は女性の更衣室、リハーサルの順番を待っている最中、ドレス姿の女性がドアを開いて出入りをし、気を遣ってしまう。やっぱり、ドレス姿の若女子は苦手だな。

14時15分にホールの舞台袖に向かう。私の前はS君。ラフマニノフの「楽興の時」から三曲を演奏。ステージで、有名な第4番ホ短調をぶっ放して舞台袖に帰ってきた。いやはや、堂々としたものです。S君の演奏の後、10分ほど休憩があってから、私の出番になる。

私の次は、アマチュア部門で第5位だった大学生のSさん。全国大会では、ドビュッシーの「喜びの島」、キラキラとした日の光のような演奏が素敵だった。淡いピンク色のドレス、若女子の特権ですな。笑顔で会釈をしたら、なんと「ブログ、読んでます」とSさん。えっ! うれしいやら、恥ずかしいやら‥‥。で、思わず「じゃ、ミクシィにメールちょーだい!」なんて言っちまった。「メールちょーだい!」なんて大人の男の台詞じゃないぜ、ともいえるし、演奏直前に「メールちょーだい!」なんて発言できるのは大人の男の余裕ともいえるし‥‥。

という心温まるやりとりがあったので、開演のベルが鳴っても、すっかり平常心でステージに向かえたのであります。
後編に続く

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