金子勝子ピアノ教室発表会、6回目の参加(中編)

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第48回金子勝子ピアノ教室発表会演奏←前編はこちら

今回の発表会で演奏するのは、モーツァルトの「アダージョ ロ短調 K.540」一曲だけ。

昨年の発表会での痛恨は、一曲目、ラモーの「ため息」の出だしで弾き直しをしてしまったこと。出鼻をくじかれると、ずっと尾を引いてしまう。水泳、短距離走、演奏、いずれもスタートが肝心だと思う。

私はこれまで、最初の16~32小節目で暗譜落ちしたり、変なキーを踏んでしまったことが多い。それも練習中に一度も転ばなかった箇所で滑ったりする。今回、舞台袖で待っている間、何度も心のなかで、最初の16小節のシミューレーションをやった。

そのかいあってか、打鍵については今回珍しくノーミスで弾けた。ちょっと危なっかしい箇所はあったけれど、崩れることはなかった。アダージョという緩いテンポなので、一音一音しっかり考えながら弾けたこともあるが、本番直前2週間、左右別々の練習を徹底したことが大きいと思う。師匠は、本番直前になるほど部分練習を重要視される。

ただ、何回も弾いた経験のあるカワイ表参道のステージ「パウゼ」ではあるが、私の場合、ちょっと響きすぎるように聴こえ、フォルテとピアノのバランスを取るのが難しい。一番最初の重音のフォルツァンドは、フワっと広がる響きにしたかったのに少々響きが足りなかった。二度目のフォルツァンドはちょっと響きすぎた。本番前、このピアノで二度ほど全曲通せばバランスがつかめると思うのだが‥‥。

一方、メロディーは十分に歌えていた気がする。スケール練習をずいぶんやったので、なめらかなメロディーラインが出ていたはず。自信を持って、一昨日、この日の演奏動画を見た。ところが、画面で見る限り、微妙に指が震えている。また薬指が突っ張っている。これらは手のひらに力が入っている証拠だ。

また、最近、ステージで姿勢を伸ばすことと、体を揺らさずに弾くことを意識している。重心をしっかり保って、厚い響きを出せるようになりたいと考えている。ところが、動画を見ると体が揺れに揺れてる‥‥。ちょっとショックだ。何とか克服したい。

演奏終了後、師匠に「すいません。もう一歩なんですが‥‥」と声をかけると、「でも、今までで一番いい演奏だったわよ」とおっしゃっていただいた。確かに過去6回の発表会の中では一番出来だったと思う。

演奏を終えて客席に向かうと、入り口で今年亡くなったピアニスト、若林ゆき子さんのお母さまに声をかけられた。

若林さんは、リサイタルのホームページの制作のお手伝いを何回かさせていただいた。私よりも年齢が下だけに、今年突然の訃報には本当に驚いた。葬儀に弔電をお送り、一度、落ち着いたらご自宅をお尋ねしたい旨、お電話差し上げてはいたものの、仕事のスケジュールが合わずに伸び伸びになっていた。

「モーツァルトよかったですよ。私ね、涙が出そうでした」という言葉をいただいた。

ありがたいお言葉だ。

実はこの一年、仕事が多忙だったこともあるが、ピアノを再開した2007~2008年頃に比べると、音楽に対する「切羽詰まった熱いもの」をなくしていた気がする。ピアニストの演奏を聴くのは好きだが、心が駆り立てられるほど、自分自身がピアノに向かいたいという気持ちがちょっと薄れていた。

防音室で閉じこもって弾いていても、独り言にしかならない。演奏は言葉と同じく、奏でる人がいて聴く人がいて心が動くものだと、若林さんのお母様とお話をして改めて思った。

それから、ステップにしろコンクールにしろ、いつも必ず一人は「ブログをいつも見てます」とお声がけいただく方がおられる。この日も、親子でわざわざ聴きにいらした方から、思いがけずプレゼントをいただいた。本当にありがたいことだ。改めてブログを書き続けることの喜びを確認させてもらった。

その後、同世代の指導者Kさんと軽くコーヒーを飲みに外に出た。お互い本番を終えた後のコーヒーのおいしいこと!

後編に続く→


金子勝子ピアノブログ ステップbyステップ金子勝子ピアノブログ ステップbyステップ
著者/金子勝子
発行/ショパン社

自分の先生に、なかなか訊くことができない素朴な疑問や悩みに、師匠・金子勝子先生がズバリ本音で答えています。例えば、「二人の先生につきたいが、今ならっている先生に言い出せないのですが‥‥」「自分の先生のリサイタルのとき、楽屋に行ってもいいものでしょうか‥‥」「音大に社会人入学で自信が持てない‥‥」。ぜひ!

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