「スポーツ」がテーマ、秋山和慶&東京交響楽団の演奏会へ

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ミューザ川崎シンフォニーホール
土曜は新国立劇場でオペラ『椿姫』を観て、翌日曜はミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団のコンサート『名曲全集 131回』を聴いた。音楽三昧の休日ではあったが、土曜は業務、日曜はプライベート。やはりプライベートの方がはるかに楽しかった。

東京交響楽団のホームグラウンドは、ミューザ川崎シンフォニーホール。ここの「名曲全集」は年に数回、めったに演奏されない楽曲による“攻めのプログラム”を組んでいて、私はいつも楽しみに出かけている。2015年、リゲティの「100台のメトロノームによるポエムサンフォニック」のコンサートは、今なお鮮烈な印象が残っている。

毎度、11月下旬から12月にかけては、「晩秋の芸術シーズン」とでもいいましょうか、毎週のようにコンサートに出かけています。 ブログ...

秋山和慶氏の指揮で聴く「スポーツ」

今回のテーマは「スポーツ」。曲目は運動会でしばしば流れるBGMと、スポーツをテーマにした近現代ものが聴きどころ。

指揮は秋山和慶氏。秋山氏の指揮を初めて聴いたのは、高校生の頃だったが、30年間、ほとんど風貌が変わっておられない。ピンとした姿勢で、かくしゃくとステージを歩かれる姿に惚れ惚れとした。

下がプログラム。

  • ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
  • (休憩)

  • オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲
  • サティ(ケネディ編):スポーツと気晴らし
  • マルティヌー:ハーフ・タイム
  • オネゲル:交響的運動第2番「ラグビー」
  • ラインナップの中で、一曲だけシベリウスのバイオリン協奏曲が浮いている。これは新人発掘プロジェクトの一貫らしい。ソリストは2015年のソロオーディションに合格した東京藝術大学付属高校3年生の佐藤玲果さん。透明かつ端正な響きに魅せられた。今後の活躍が楽しみだ。演奏終了後、どうすればいいのかわからず、どぎまぎしている姿が初々しかった。

    スカッと爽やか! オネゲルの「ラグビー」

    プログラムの中で圧巻は、オネゲルの交響的運動第2番「ラグビー」だった。もちろん生で耳にするのは初めてだ。制限時間の中で、めまぐるしく攻守が入れ替わり、緩急ある運動が続くサッカーやラグビー。野球と違って、試合中、ずっと目が離せないは、定められたルールの下でのハプニング的な要素があるからだろう。オネゲルのエネルギッシュなこの作品は、リズムとモティーフを自在に組み合わせて展開させることで、ラグビーの「好試合」のような魅力を狙ったものと思われた。

    下はオネゲル自身が指揮した交響的運動第2番「ラグビー」。

    オネゲルはラグビーの試合を描写ではないと述べている。私は、ジャクソン・ポロックのアクションペインティングを思い出した。最後の音が宙に飛んでいくところは、まるでラグビーボールが蹴り上げられて、青空に消え入るような爽やかさだった。

    サティの「スポーツと気晴らし」も面白かった。もともと21曲からなるピアノ曲だが、この中から14曲をケネディがオーケストラ用に編曲したものが、今回演奏された。いずれも30秒から1分ほどの短い小曲だ。

    「食欲をそそらないコラール」「目隠し鬼」「いちゃつき」等、タイトルからして、サティらしい冗談にあふれている。一曲終えるごとにニヤニヤしてしまった。中でも「ゴルフ」は、実際に打楽器奏者が、ゴルフクラブをスイングした後、ポキっと折れる「演奏」シーンがあり、この時ばかりは聴衆の笑い声がホールに満ちた。

    東京交響楽団がマジで演奏する運動会定番曲

    一方、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲、オッフェンバックの喜歌劇「天国と地獄」序曲、アンコールで演奏されたカバレフスキー「ギャロップ」は、ニッポンの運動会の定番BGM。耳にするだけで、障害物競走、玉入れなど、運動会の出し物を思い浮かべてしまう。

    運動会のイメージが強くて、これまで真正面からこれらの曲を聴いたことがなかった。実際には、さまざまな楽器の独奏シーンがふんだんにあり、聴きどころが満載なことに改めて気がついた。そして何より、秋山和慶&東京交響楽団による“マジな演奏”は新鮮だった。

    東京交響楽団の若手女性打楽器奏者・綱川淳美さんのマリンバも聴けてよかった。ここ数年、ちょっと気になる存在なのだ。前半は演奏機会がなかったので、今日は会えないかと思ったよ(笑)。

    東京交響楽団・綱川淳美

    東京交響楽団の打楽器奏者、タンバリンをかぶった綱川淳美さん


    私、演奏終了をまたずに拍手をする聴衆は苦手なのだが、この日の演奏会に限ってはフライング拍手が気にならない、“血湧き肉躍る”コンサートだった。

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