森高千里、前進するアラフィフ女子をフェスで見た

今年、楽しみにしている同世代の元アイドルのライブが二つある。9月の森高千里(48歳)と11月の原田知世(49歳)。「奇跡のアラフィフ」と呼ばれる二人だ。

私は長年、原田知世のファンで、きらびやかな存在の森高千里は、若い頃、ずっと引いて見ていた。ところが、彼女が昔のナンバーをセルフカバー200曲シリーズとして歌っているのを、昨年、YouTubeで発見して、とても興味を持つようになった。

さて、先週日曜、東京・若洲公園で行われた夏フェスで、初めてナマの森高千里を見た。今、人気沸騰中のWANIMA、「話題」のゲスの極み乙女のライブも聴きごたえあったが、森高千里は、想像の斜め上、期待の斜め下(!)を行くステージで、多くの出演者の中で一番印象深かった。

ぴあフェス

20代と変わらず、ミニスカート姿の森高は抜群のスタイル。変わらぬ美しさとオーラ。とても二児の母親とは思えない。おなじみのヒット曲「私がおばさんになっても」で、「ミニスカートはとても無理よ」と歌うギャップ。 そこは期待通りだった。

ところが、期待を裏切るというか、期待をそらすというか。

まず、ステージが始めると、DJと前座として謎の女性(氏名は分からず)が登場。バリバリのEGM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)に乗せて、いきなり「あなたは家に帰った方がいい、と思う」というつぶやきを延々と繰り返し始めた。「?」マークが会場を覆う中、7、8分ほどしていきなり、彼女は「ありがとうございました!」と元気よく立ち去った。

そして、ようやく森高千里が登場。ところが、森高もまったく同じノリで「タタタ、タタ、タナカ」とつぶやき始めた。「見たとおりよ私」のクラブバージョンだ。

そして、重低音の「ストレス」へ。

このあたりで、ステージ前の“親衛隊”っぽいファンは熱狂的に盛り上がっているけど、次の出演者であるWANIMAファンは、ざざっと立ち去り始めた。私も一緒に見ていた友人も困惑。そして、次の「私がオバさんになっても」で、ようやく往年の森高が見られるかと思いきや、えらいダウナーな雰囲気のアレンジで……。

あっという間に彼女のステージが終了。うーん、ファン以外は、こんなライブを期待していなかったのでは?とガッカリ。

ところが、一週間過ぎて、このフェスの一日を反芻すると、実は一番とんがっていたのが森高千里だったのでは?と思い直した。

ただ往年のアイドルが懐メロにを歌うのではなく、「現在のあり方」をプレゼンテーションしているのでは? もしや、自分の美声をリズム楽器として、まったく新しいダンスミュージックを創造しているのではないか? そんなことを考えた。

プログレッシブな姿勢で“攻める”森高千里、今後も動向をフォローしたい。


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