ウィーン原典版って楽譜の「上カルビ」?

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ウィーン原典版の楽譜

ウィーン原典版のベートーヴェンのピアノソナタ集を買いました。これまで高校生の頃に買った音楽之友社の標準版もしくは深沢亮子氏校訂のカワイ社の「ソナタアルバム1」を使ってました。前回のレッスンで「ここ、ちょっと変」という間違いに思える箇所があり、ちょうどいい機会なので新しく購入した次第。

ウィーン原典版
ウィーン原典版は、第一線の音楽学者と名演奏家の 共同作業から生まれた、理想的な楽譜です。

ユニヴァーサル・エディション(ウィーン)、ショット(マインツ)、音楽之友社が提携し、1973年より 日本語版の刊行を続けてきたウィーン原典版は、 21世紀に入ってなお、最も信頼される楽譜です。

作曲家の自筆譜や筆写譜、初版本、版下などを比較検討し、確実な出典に基づいて校訂・編集され、アシュケナージやエッシェンバッハ、クレーメル、ゲルバー、ブレンデルといった世界的な演奏家が、運指や解説を加えています。

たんに正確なだけではなく、作曲家の意図がより深く理解でき、演奏に適した楽譜、それがウィーン原典版です。

ウィーン原典版が楽器店で存在感を示し始めたのは、1980年前後でしょうか。日本語版は1973年から刊行されてはいますが、ラインナップが増えて楽譜棚で赤い背表紙が目立つようになるまでに、タイムラグがあったような気がします。

私が初めて買ったウィーン原典版の楽譜は、シューマンの『子供の情景』でした。この曲を発表会で演奏したのは高校1年生。筆記体で作曲家名が大きく書かれた 真っ赤な表紙は、何だか手にするだけでピアノがうまくなったような不思議な感動を覚えました。この「グレードアップの錯覚」こそ、ウィーン原典版のブランド力では? 校訂のよしあしなど、素人には分かりませんし。

それにしても、ウィーン原典版は値段が高い。高校生の私にとって、ぜいたく品でした。シューマンの『子供の情景』だから購入できたのだと思います。『子供の情景』 はページ数が少なく千数百円でした。ベートーヴェンのソナタ集なら手が出なかったはず。

2016年7月現在、ベートーヴェンのピアノソナタ集 第1巻を主要な版で値段を比較してみると、こんな感じ。

  • 音楽之友社(標準版) 2,808円
  • 全音楽譜出版社(標準版) 3,024円
  • 音楽之友社(ウィーン原典版) 4,104円
  • ヘンレ社(原典版) 6,262円
  • 素人のピアノ愛好者が演奏するには、ぶっちゃけ、どの楽譜を選んでも大勢に影響はないでしょう。校訂の内容はともかく、ピアニストでもない限り演奏の内容はそうそう変わらないと思います。

    ただ、「気分」は大きく変わりますよね。

    私、楽器店で楽譜を選ぶ際、焼肉レストランでメニューを眺めるのに近しい気分があります。

  • 標準版 → カルビ
  • ウィーン原典版 → 上カルビ
  • ヘンレ版 → 産地特定 特上カルビ
  • こんな気分。

    でも、素人の愛好家にとって、ここ、結構重要。

    「ウィーン原典版を使っているオレ」

    いわば、“ランクアップの大人のぜいたく”って感じでしょうか?