感想/ストラヴィンスキーのバレエ『兵士の物語』

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ストラヴィンスキー『兵士の物語』
ストラヴィンスキーのバレエ音楽は大好きです。なのに、三大作品『春の祭典』『ペトルーシュカ』『火の鳥』を生のステージを観たことがありません。唯一、『ミューズを率いるアポロ』は3年ほど前に観ました。

ひと月ほど前、ストラヴィンスキーのバレエ演劇『兵士の物語』がアダム・クーパー、ラウラ・モレーラという英国ロイヤルバレエ系のトップダンサーにより上演されることを知り、出かけけてみました。7月31日(金)、場所は池袋の東京撃術劇場 プレイハウス。プレイハウスに入るのは初めてです。

退廃的な舞台美術にびっくり

ホールに入って、まず退廃的な雰囲気のデコラティブな舞台美術に驚きました。『白鳥の湖』『くるみ割り人形』といった子連れで楽しめるバレエ公演とはまったく違った大人の空間です。舞台前の小さなオーケストラピットから、さまざまな楽器のチューニングの響きが聞こえています。ステージ上の両側に2つずつテーブル席が配置されています。世紀末のパリのキャバレーを再現したみたい。数年前に観たシルク・ドゥ・ソレイユの『KOOZA(クーザ)』の舞台美術に近いものを感じました。

ストラヴィンスキー『兵士の物語』
『兵士の物語』は、朗読と演劇、バレエの要素を併せ持つ総合舞台作品です。だけど、ステージに立つアクター兼ダンサーは数人。オーケストラも7人ほどの編成。上演時間も約1時間と小ぶりです。

ストラヴィンスキーはロシア革命の影響で資産を没収されてしまい、経済的困窮を脱するためにこの作品を作ったとされています。当時のヨーロッパは第一次世界大戦後の直後で経済は疲弊しており、大規模な作品の上演は難しく、そのため少人数の劇団でも上演可能な作品になったとか。小ぶりだけど、ソナチネ的な魅力が持ち味に思いました。

下がストーリー。公式サイトより。

 休暇をもらい、故郷の母に会いに行こうとするひとりの兵士が、ふとしたことで悪魔に魂を奪われてしまいます。彼は心(ヴァイオリン)を悪魔に渡し、そのかわりにお金や物、なんでも手に入れることが出来るという、奇妙な本をもらいます。兵士はこの本によって、この世でくらべるもののないくらい大金持ちになります。しかも、ある国の王女を嫁にする、というような幸せな日々が続きます。
 しかし、兵士の心のなかでは、癒されないものを感じ始めます。いまの幸せだけでなく、貧しかった時代の、あの幸福も忘れられない。母と一緒に暮らせば、過去と現在のふたつの幸せを手にすることが出来るに違いない。彼はお姫様とふたりで自分の生まれ故郷の村を目指します。
 故郷の土を踏もうと、まさに国境を越えんとした途端、悪魔が現れ……。

至近距離で観るバレエダンサーの肉体美

さて、主演の兵士にアダム・クーパー、王女はラウラ・モレーラ、悪魔がアレクサンダー・キャンベルという英国ロイヤルバレエのトップダンサーたち。小規模なステージだけに、その肉体美を至近距離で見ることができました。惚れ惚れしました。美しかった。バレエというのは「体育会系要素と文化会系要素を併せ持つ芸術だなぁ」と思いました。

アダム・クーパー
しかし、演出がなかなか退廃的かつ過激でありました。ラストシーン、兵士は悪魔に足で地の穴に突き落とされるし、王女が悪魔に後ろから“される”しで、あぁ。

リカちゃんケーキ英国ロイヤルバレエの公演というと、思わず娘と一緒に!出かけたくなりますが、ストーリー、演出ともに、とても父親と娘で観られる内容ではなかったです(うちには娘はいません)。

上演時間約1時間なので、夜8時すぎには終了。お口直しにルミネ池袋のカフェ「ラ・メゾン アンソレイユターブル」で、リカちゃんケーキセットを食べて帰りました。

あやしいおじさんですね。

パルコ劇場『兵士の物語』公式サイト