神がかり!東京フィルハーモニー@ミューザ川崎

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フェスタサマーミューザ川崎
首都圏で行わるクラシックの“フェス”といえば、ゴールデンウィークに行われる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が有名だけど、ミューザ川崎の「フェスタサマーミューザKAWASAKI」も、数年前から気になる存在でした。首都圏で活動する10のオーケストラが、2週間の期間中、ほぼ連日コンサートを行うのが特徴。

しかし、まぁ、東京ってクラシック音楽の一大消費地だなと改めて思う。NHK交響楽団、日本フィル、新日本フィル、東京交響楽団、東京都交響楽団、東京フィル、東京シティフィル、東京ニューシティ管弦楽団、読売日本交響楽団。助成はあるにせよ、プロのオーケストラがこれだけ「食べていける」都市って、世界でも稀でしょう。

そんなぜいたくを楽しむべく、初めて「フェスタサマーミューザ」に出かけました。ミューザ川崎シンフォニーホールでは、期間中15の公演が行われますが、今回は武満徹作曲の「波の盆」を演奏する尾高忠明&東京フィルハーモニー交響楽団を選びました(秋山和慶&東京交響楽団によるマーラーの交響曲第2番「復活」とどちらにするか迷った)。

プログラムは下記。

武満 徹/波の盆
グリエール/ホルン協奏曲
チャイコフスキー/交響曲第5番

武満徹『波の盆』をナマで聴きたくて

開演は19時ですが、15時には開場。15時半からゲネプロも見ることができます。ただ、私は仕事があるので18時40分ごろミューザ川崎に到着。しかし、お客さん、少なーい! シンフォニーホールのキャパは約2000席。お客さんは半分弱くらいだろうか。かつ、私のようなクラヲタ中高年男性ばかり……。まぁ、チャイコフスキーの5番はともかく、武満徹やらグリエールやらの演奏会を、わざわざ聴きに行くようなのはクラヲタか、オケの楽器をやっている人かでしょうね。

さて、武満徹「波の盆」をライブで聴くのは初めて。この楽曲は1983年に放送されたテレビドラマ『波の盆』のテーマ曲。このドラマ、倉本聰脚本、実相寺昭雄監督、笠智衆主演、そして音楽が武満徹というウルトラゴージャスなメンバーが参加しております。ヒーリングミュージックのような聴きやすさですが、そこはやはり武満徹、おっと思わせる、ハッとさせる箇所が随所にあります。

ステージには、ハープやらチェレスタやらマリンバやらパーカッションやら、さまざまな楽器が「載って」おり、見て目にも楽しい雰囲気。お隣の座席はフランス人(フランス語をしゃべっていた)だったのですが、演奏後、隣に目をやるとかなりウルウル来ているようでした。やっぱり生はいいなぁ。

グリエールのホルン協奏曲。ソリストは、北ドイツ放送響の首席ホルン奏者。ホルンという楽器は、素晴らしい音色だけれど、生のオーケストラを聴くと音程を外す確率が一番高くて、ソロの場面ではドキドキします。さすがの腕前でした。が、一曲目の武満徹の楽曲に比べると、オーソドックスでちょっと印象に残らなかった。演奏が悪かったわけではないです。私の楽曲の好みの問題。一曲目が武満徹じゃなければ、印象が違っていたのだろうけれど。

ドライブ感あふれるチャイコフスキーで胃酸過多に

20分ほど長めの休憩の後、後半、チャイコフスキーの交響曲第5番へ。これがすごかった!

私、クラシック音楽、JPOP、演劇等のジャンルを外すと、年間で50本程度、週に1本はライブに触れます。今日の東京フィルのチャイコフスキーのドライブ感はすさまじかった。ノッテしまった時の阪神タイガース打線といいますか、疾走する博多・祇園山笠といいますか。心臓がドキドキして胃酸過多になって、帰りの電車の中で胃が痛くなりました。興奮して胃が痛くなるような演奏会なんてめったにないです。

まぁ、この交響曲って最終楽章、ラストに向かって盛り上げるちゃあ、盛り上げる交響曲ではあります。ただ、幾度となくこの曲をライブで聴いていますが、盛り上がれば盛り上がるほど、雑に散漫な演奏になってしまうことがしばしばありました。ところが、今日はアンサンブルとしての協調性を重視しつつも、それぞれの演奏家が臨界点ギリギリまで挑戦するようなスリリングさが。まるでF1レースの美しいコーナーリングを見ているようでした。

1週間経って思い出しても、あの夜の東京フィルの演奏は神がかりだったとしみじみ。思い出すに一楽章の最初の8小節目くらいで、チェロの一人が本気を出し始めたのですね、じゃあオレも私もと、みるみるうちに他のメンバーに伝播していく、ジャズのビッグバンド的な共鳴がありました。

指揮の尾高忠明氏も最後に「精魂尽き果てました」とご挨拶。あんなにBravoが出た演奏会は初めての経験でした。最後、指揮者もオケメンバーも全員が立ち上がって、全員に拍手し合ってるのが印象的でした。

なのに観客は半分くらい。おかしい! 3,000円でしたが、10,000円以上の価値はあったなぁ。

オケの楽しさあふれるデザイン

ところで今年の「フェスタサマーミューザKAWASAKI」、ポスターやパンフレット、Webサイトで使われているデザインが秀逸だった。参加オーケストラの演奏家を起用し、ワクワク感を醸し出してます。思わず、足を止めて見入ってしまうほど。

フェスタサマーミューザ川崎

コントラバスをギターのように弾いている!


フェスタサマーミューザ川崎

ホルンを帽子のようにかぶっている人


総合プログラムには、ポスターに登場した演奏家たちの紹介や撮影風景なども掲載されており、なかなか読み応えありました。

管弦楽の楽しさを満喫できた夜でした。オーケストラに入って演奏してみたいと深く深く思いましたよ。チェレスタが近道でしょうかね。

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