9/28 上原彩子リサイタル@所沢ミューズの感想

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WEEKEND PIANO SERIES 休日に燦めくピアノの響き4年ほど前から、私は所沢ミューズのメンバーズ倶楽部に入っており、ホームグランド的存在。

毎年、「WEEKEND PIANO SERIES 休日に燦めくピアノの響き」という3人のピアニストによるリサイタルシリーズがあり、いつもセット公演券をリーズナブルな会員価格で購入している。

今シリーズは、上原彩子、ユリアンナ・アヴデーエワ、横山幸雄の三人のリサイタルが、会員セット価格で6000円。このクラスのピアニストのリサイタルが、1公演2000円というのはかなりお得だと思う。

さて、先週日曜は、今シリーズの第一弾、上原彩子さんのリサイタル。天気がよかったので、所沢までバイクをバルバル鳴らして出かけた。

プログラムは下記。

モーツァルト/ピアノソナタ ハ長調 K.545
モーツァルト/幻想曲 ニ短調 K.397
モーツァルト/ピアノソナタ イ長調 K.311(トルコ行進曲付き)
~休憩~
チャイコフスキー(プレトニョフ/上原彩子編曲)/バレエ『くるみ割り人形』より
 1.スペインの踊り 2.中国の踊り 3.トレパーク(ロシアの踊り)
 4.草笛の踊り 5.花のワルツ
ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
~アンコール~
チャイコフスキー(プレトニョフ編曲)/バレエ『くるみ割り人形』より
1.金平糖の精の踊り 2.タランテラ 3.グラン・パ・ド・ドゥ

初めて聴いたプロの「モーツアルト ソナタ K.545」

前半はモーツァルトのピアノ曲の中でも「おなじみの名曲集」。しかし、ソナチネアルバムに収められている「ピアノソナタ ハ長調 K.545」を、プロの真剣勝負のリサイタルで聴いたのはおそらく初めてだ。この日のプログラムの中では、この曲の演奏が一番印象深かった。

第一楽章、第一主題を本当にさりげないピアニシモで開始。この「さりげなさ」がソナチネぽくって、しょっぱなから響きにぐっと引き寄せられた。提示部、展開部+再現部、両方ともリピートを行い、2度目はオリジナルの装飾を加えて変化をつけていた。

第三楽章、三度の重音の掛け合いの主題も、ふわっと浮き上がるような響きが素敵だった。私もそうだが、ピアノを学習中の子どもが弾くと、元気いっぱいでガチガチの響きになりがちだ。

三楽章を通して、さりげなく繊細だけど、明確なストーリーある演奏だった。

続く「幻想曲 ニ短調」は、前半の短調の部分はドラマティックに、後半のニ長調の部分はソナタ K.545と同じくさりげなく、コントラストがくっきりとした演奏だった。

そして、「ピアノソナタ イ長調 K.311(トルコ行進曲付き)」。最初の「ピアノソナタ ハ長調 K.545」は前のめりの姿勢がちょっと気になったが、この曲は肩の力が抜けて、前半の3曲の中で一番リラックスして楽しめた。

ただ、楽章と楽章の間にほとんど途切れがなく、三つの楽章をぶっ通しの演奏だった。古典派ソナタは「屏風絵」の様式美だと思うので、個人的にあまり好きではない。

休憩時間はホワイエでお茶。窓から眺める青空が気持ちよかった。

所沢ミューズ

コンサートピアノの魅力あふれる「展覧会の絵」

後半は、まずチャイコフスキーの『くるみ割り人形』より小品が5曲。これらの曲は連弾で聞くことが多い。率直に言ってオーケストラの楽曲をソロで演奏するにはちょっと無理があるなという印象。どうしてもオーケストラ版と比べてしまう。

一方、最後の「展覧会の絵」はコンサートグランドピアノの魅力を十二分に活かした力強い演奏だった。前半のモーツァルトの繊細な響き、まったく違ったスケールの大きな響き、そのどちらも兼ね備えた彼女の芸達者ぶりに魅了されたリサイタルだった。

最後にどうでもいいことだが、ステージに立つ姿が「お母さん」特有のやわらかい物腰でとてもいい雰囲気だった。公式ホームページのプロフィールを見ると、三児の母で、趣味は「子どもと遊ぶこと」とある。納得。

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